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サイズ: 1/144スケール
使用頻度:2023.04/09完成備考:TR-5フライルーのキットから製作。周辺武装すべて含む。 武装に海ヘビも追加 サーベルのクリアー化 等あり
「ジョニーライデンの帰還」劇中、ジャブローにおけるサングレアスル争奪戦にて主役級の大暴れをするヴァースキ隊のギャプランです。製品としては年式が古いですが大振りな変形機体なため人気も高くいささか調達困難。それゆえ今回の作例はギャプランTR-5フライルーのキットを使用して製作しています。 製品内容としてはロザミア等が出撃に使用した巨大ブースターが付属していませんがギャプランの機体部分のパーツはひととおり含まれているので「ジョニーライデンの帰還」劇中機は問題なく作成可能。 それに加えフライルーの武装およびアーマードがあるのでそれもプレイバリューに含めた作り方をおこないました。 伏線考察としては、ジャブローでバレンスタイン&カワセ機は壊れたけれどヴァースキのギャプランは無事だったのだし、宇宙に上がってからも運用し続ける計画としてフライルー装備を用意するプランもあがっていた、しかし僚機との連携した作戦行動を優先しジェガンヘッド「複合機」での活躍となった ~的なもの。フライルーのキットは製品構成のままではアーマーをいちど組み込むと着/脱は全くできなくなってしまいますが、局所的な構造の変更などによってほぼ可能なものにしてあります。 ガッチリしているとは言い難いデリケートできわどいものですがギャプランの機能を「全載せ」した作例です。そのほかにもビルダーズパーツHDのMSバーニアや凶悪造形手首のワイルドハンド2と海ヘビも追加。ビームサーベルもクリアー品に改造し長さ違いの二種を用意。 各部「あとハメ工作」、細部モールド部品の追加、デカールではヴァースキ隊「黒ヘビ」エンブレム、GMラインデカールなど、工程として通常の出品作例よりかなりやる事が多くなってしまったギャプランになりました。
キット構成への工作点基本的な工作ですが、パーツ裏の構造が表面に浮き上がって平面を歪ませる「成形ヒケ」が多数あるキットなのでヒケ潰し&面出し のペーパー作業を全面的に行ってあります。 両腕のバインダースラスターなどとにかく平面が多く、そのうえ合わせ目を接着処理して消してゆく工程も非常に多いため、ペーパー作業では並のガンプラの数倍もの労力をかけています。頭のレッド部側面にドリル工作による三連開口モールド追加。モノアイをHアイズ化。 モノアイ部のレンズ状に膨らんでいるパーツ面を平面化してからドリル開口。掘った凹形状の内側にレンズ部をはめ込む要領でおこなっています。 成形色クリアーピンクの2.0mm径レンズを蛍光ピンクにて塗装した発色(裏面はシルバー)。肩まわりのあとハメ工作。 肩外装アーマー~肩フレーム/肩外装アーマー~肩側面可動装甲手首にワイルドハンド2を一部導入。 指の造形と手の表情の凶悪さゆえ汎用機やヒーローメカにはそぐわない製品。HGUC1/144には大きすぎるサイズでもあるため使いどころがかなり難しい手首ですがギャプランにはうってつけです。 ギャプランへの使用にはいくつか問題あり。1.ギャプランの関節構造が古いため腕部との連結ボールジョイントがまったく合わない これは関節構造を3mm棒軸形状に変更。 このため前腕部側のボールジョイント受け軸PC関節を廃し、かわりに3mm穴形状のPC関節を内蔵し固定する改造をおこなっています。 ワイルドハンド2の手首取り付け軸はボールジョイントのほかにもこの3mm棒軸での選択部品があるためこういった手法で互換性を作りました。 また、この取り付け軸は手首側に可動軸があり、手でヒラヒラとあおぐ方向で可動できます。2.手首の甲のアーマーがない 1/100に使用可能なノーマルハンド(コトブキヤ製・絶版品)が造形的にもサイズ的にも理想的なのですが、新品入手はまず能なためレジンキャスト複製によって作成(原型としたパーツは私物の完成作例からひっぺがしたもの。型取りしたのち戻した)。 レジン複製品なので強度的に難ありですが骨格に手首がはまるので安定。手首への取り付けは分厚いゴム板形状の両面テープ(車載インテリアを固定する分厚いやつ)で張り付けています。3.他にも使用したい作例を同時期に作っていたためシェアしなければならなかった(昨年出品したギャプランのこと) このため、昨年製作したギャプランと作例の用途に合わせた取捨選択をしており、左右で計4個までを用意することとしました(製品としては左右で計8個ありその半分)。 平手(左)/手刀(右)/武器保持兼握り拳(左右)。 このほか純正手首の握り拳(左右)/ライフル持ち手(左右)があり、ワイルドハンド2の手首と同様の取り付け軸に改造してあります。特に握り拳はMA変形時の収納手首などに使用できるでしょう。肩アーマー側面の丸い凹部に同型の凸形状(ガンメタ)のマルイチ形状を装着(コトブキヤMSGシリーズのランナーP102)。腹部のレッド部表面に四角いパネル形状(台形)を装着。腰フロントアーマー(左右)を「あとハメ工作」。 塗装利便性のための分離工作です。可動軸の引っかかりとして機能する突起をわずかに削ぎ落すことで、塗装後にハメこめるようにして組んであります。腰フロントアーマー(左右)内部にネオジム磁石内蔵。製品仕様では取り外しできないフライルーの増加装甲を着脱可能にするための工作です。 本来は固定構造のアーマー裏打ちフレームを外装と切り離し、ギャプランの腰アーマーとフライルーの増加装甲それぞれの内部に平べったいネオジム磁石を組みこみ プラバンでアーマー内に封じ込めてています。 磁力はあまりバチーンっと引っ付かないフワリとした吸い付きなので保持力は弱めですがそのぶん塗装・デカールを傷つけません。増加装甲側の外周が位置をあわせやすいかたちをしているので装甲部を前からハンガーに引っ掛けるような感じで装着できます。腰サイドアーマーを固定。 ノーマルのギャプランと違いPC関節ではなく裏打ちフレームで装着されます。上部に連結部が露出してしまうのは唯一の妥協点。 初版キットとは違い張力のある新素材に変更されたので多少ソフトではありますが腰ブロック側の材質がそのままなので強度に難あり。腰サイドの増加装甲(スラスター)の着脱のためポージング形状の位置をキープするよう固定してあります。 開き気味にカッコつけた位置なので変形にも支障なしです。〇(まる)い凹部の各所にマルイチ形状のネジモールドを追加。コトブキヤ製MSGシリーズのランナーP101やP111など。 使用箇所は大腿部両側面(4つ)/背面マルチアームユニットの上下面(2つ)シールドバインダー後方の二連バーニアノズル(×左右)にビルダーズパーツHDのMSバーニアを使用。 この部分の純正バーニアノズルの造形は間隔をあけた二連バーニアのくせに繋がっていて妙ちくりんなので、ちゃんとした造形のものに変更しました。 バーニア外径と内側の底部まで別パーツ化されていて塗装にも都合のよいスグレもの。 2022再販となったもののすでに価格高騰しつつある貴重品ですがヴァースキ隊ギャプランともなれば使いどころでしょう。 MSバーニアのセットから4つとれる形状のスタンダードな形状タイプをこの部分4点に使用してあります。 接続はバーニアキットに付属の取り付け軸をそのまま接着して使用。ツメ形状をミゾの隙間に通すかたちなのでギャプランとは完全に一致。 取り付け軸とバーニアの連結は極小のプラ製ボールジョイント形状なのでノズルの向きは多少動かすこともできます。ビームサーベルのビーム部をクリアー化。 ビーム部を切除して取り付け軸穴をドリル開口。ビーム部は長短2種を用意しました。 短い物は現行HGUC1/144規格のクリアーイエロー品(百式など)。長い物はHGUCメッサーなどの大型機に付属するクリアーイエローのものです。どちらも刀身はグラデ塗装仕上げです。武装に海ヘビを追加。レジンキャスト複製品です。原型はUC版マラサイなどに付属のバンダイ製キット。3mm棒軸保持なので純正/ワイルドハンドのどちらでも持たせられます。 ワイヤー展開状態に仕上げてありますが、純正ではリード線のワイヤー部をさらに細いメタルグリーンのビニールコートされた針金(0.6mm)で表現しています。 ナイトシーカーではないですがヴァースキのセリフ「これを俺に使わせるとはなかなかだった」をやりたい方々はお役立てください。 また、私のこれまでの出品作例にもあるようにメッキビーズ使用による細部ノズル追加工作とステンレス針を打ち込んでのピン打ちリベット追加工作もおこないました(彩り追加の工作)。
◇TR-5フライルーの装甲装着について両肩の武装/腰フロント/腰サイド/腰リア については単純な穴ハメや磁力吸着で装着できますが頭部のガンダムヘッド化は ギャプランのモノアイ・アゴのパーツを分解・組み直しする必要があります(※画像10中央にあり。完成後まだ一度も組んでいません)。
全体の基本的な製作は 各部接着を経ての合わせ目処理&パーティングライン処理・サーフェーサー・ガイアカラーによる塗装(つや消しコート含む)。 ガンプラを完成製作させるスタンダードな工程でおこなっています。 スミ入れはタミヤのエナメル塗料流し込み。色はグレー系とブラウン系を多用しています。 スミ入れ塗料が定着しにくい形状の部分などには0.05mmマーカーでのふき取り手法も使用しています。
塗装パターンは「ジョニーライデンの帰還」のカラー画を参考。 いわゆるヤザンのハンブラビカラーです。 全身像の図面イラストを真に受けると他のカラー絵との辻褄が合わなくなるのがかの作品のお約束なので、複数のカラー資料のすり合わせ&ガンダム系のお約束配色 ~の組み合わせで配色を決めています。ダクト系をイエローグリーン、手首や腕部、露出側のフレーム類をホワイト、バーニア内径はレッド、モノアイはピンク系の発色(ハンブラビの色)。 シールドバインダー先端のビームキャノン砲身が白いのはカトキメカのイラスト的に見せようという私の趣味です。内部側フレームや関節類の塗装にはグレーではなく調色したガンメタルを使用。純色グリーンを混ぜてのグリーンがかったガンメタル。 足裏アンカーなどはスターブライトプラス。これらは装甲部と違いクリアー表現です。
以下、カラーガイド(※比率の%は曖昧な感覚的数値です)ブルー部(明) 風蒼(かぜあお)90% ホワイト10% シャドー部にはコバルトブルーを使用ブルー部(暗) コバルトブルー50% マーズディープブルー40% ブラック10% シャドー部にはブラックで暗くしたものを使用ホワイト部 ホワイト90% コバルトブルー5% ミディアムブルー5% シャドー部にはミディアムブルーでさらに暗くしたものを使用レッド部 スカーレット80% ブライトレッド20%グリーン部 メカトロウィーゴカラーれもん70% エメラルドグリーン30%ゴールド部 スターブライトプラス100%関節などのガンメタル部 シルバー60% 純色グリーン20% ブラック20%ビームサーベル 発生部 ホワイト一色100%→全体 蛍光イエロー100%→先端側 蛍光ピンクを混ぜてオレンジ寄りに のグラデ塗装
細部のマーキング類は主にハイキューパーツ製。RBコーションデカールを主体に使用。「01(ホワイト)」のナンバリングとサイコロのエンブレム(腰フロントアーマー)はTRデカール。 そのほか一部でクラウドデカールも細部表記に使用してあります。足首の前後に使用しているラインデカールもハイキューパーツ製品。これのみシルバーの光沢表現です。デカール使用パターンは、暗いボディー色なのでホワイト書体あるいはオレンジとのツートーンのものを使用。 ただ「ジョニーライデンの帰還」のカラー図面や本文を観察すると黒字で細部表記がうかがえたりもするので[CAUTION]などの表記にブラックのものを使用してある箇所もいくつかあります。自作品の水転写デカールも数種を使用。 クリアデカールにレーザープリンターで印刷したもので水ににじむ心配なく使用できるものです。 定着にはかなり強めな軟化剤(10秒もつけるとデカールが溶解するハードタイプ)を使用。1. ヴァースキ隊「黒ヘビ」エンブレム。 多くの読者をファンへ引きずり込んだであろう、剣に黒いキングコブラが巻き付くデザインの部隊エンブレム。 「ジョニーライデンの帰還」掲載のエンブレム情報から抜粋。 アナログ画をデータ化し、細部の粗を編集・加工したもの。 使用箇所はシールドバインダー表面/右ヒザ/左脚側面/ベーススタンド2.地球連邦軍「E.F.S.F」(ブラック)表記。 汎用性がこのうえなく高いので独自にテキストからデータを描きだして加工・編集し自作したもの。 使用箇所は腰フロントアーマー右/右脚側面/ベーススタンド3.ナンバリング「01」。 入手できなくなった絶版デカールの書体表記を独自にサイズ・カラーを変更するなど編集しなおし自作したもの。使用箇所は 左脚/ショルダーユニット右側面/ライフル側面/ベーススタンド4.「[CAUTION]」の細部表記([ ]を含む)。 「ジョニーライデンの帰還」の図面図や機体がアップで描写される場面でうかがえる表記。クラウドデカールの一部の製品に全く同一と言ってよいものがあるのでこれまで多用してきましたが、汎用性があまりに高いので独自に描き起こして使用。サイズと書体のカラーに数種を用意して使い分けています。 この作例では足のスネのアーマーなどに使用。 5.関節可動部警告表記・CAUTION・先端打突警告表記 など諸々のお約束デザイン(歴代の自作デカールの累計)。 製品版には無いデザインやカラーを使うため、上記のエンブレムのようなシンボル的なものだけでなく関節まわりの目立たせる警告表記などに多用しています。
機体各所にビーズ工作及びピン打ちによるメタル調細部ディテール工作もしてあります。ブルー部(暗)へはゴールドメッキで、ブルー部(明)へはシルバーメッキでの使用パターン。 サイズは2.0mmと1.5mm。ピン打ちリベット工作に使用しているのは有頭5号針(針の軸側0.6mm)です。針の太さとドリル開口穴のサイズをあわせ、接着なしにスナップフィットさせて固定しています
機体本体以外の付属品はロングブレードライフル フライルー用の手持ち銃器。ヒートブレード付きの武器で格闘戦にも使用可能。先端側のブレード銃身部を引き抜くと短いビームピストルになります。 フライルー外装(アーマード) 両肩/腰フロント/腰側面/腰リアスカート海ヘビ(追加品) レジンキャスト複製品。ワイヤー展開状態に作ってあります ガンダムヘッド TR-5フライルー本来の頭部。使用するにはギャプラン頭部からモノアイ・アゴ部 を取り出して組み直します。 MA形態ではV字アンテナを折りたたみ形状に差し替え。手首バリエーション ワイルドハンド2(追加手首) 平手(左)/手刀(右)/武器持ち手兼握り拳(左右) 計4つ このほか 取り付けをこの作例用に改造した純正手首の握り拳(左右)/ライフル持ち手 計4つ あわせて全合計8つになります。 ビームサーベル×2 ビーム部をクリアー品に改造済。長短二種類あり。蛍光イエロー系でのグラデ塗装。 シールドブースター連結ジョイント 別売りのヘイズルなどのシールドブースターをライフルの左右に並べて砲台のような姿「ダブルシールド状態」を再現するためのオプションパーツ。ベーススタンド ギャプラン用の純正品です(※画像8/9/10のもの)。 別のパーツとして、フライルーでのMA形態で固定するためのジョイントが×2ありマーキングシール (未使用)ホイルシール (未使用)組立説明書
以上です。ヴァースキ隊ギャプランを作りたくてあれやこれやと手を尽くした作例ですがこんな作り方ばかりやっていると出品モデラー的には数がこなせなくて要領が悪すぎますね。 転売横行するようなガンプラ市場ゆえのギャプランの入手困難さもあって連投の難しい作例でございます。 私からのギャプラン出品はヴァースキ隊ばかりになるとは思うんですが次はいつ作れるやらです。 イングリッドのヘビーガンダムを上にのせて飛行する劇中の再現を目指したい方々にも役立つ作例です。「ジョニーライデンの帰還」登場の機体を集めておられる「我こそは」というファンの皆様にこそどうぞ。